やってみませんか 音楽療法!

音楽から見えてくるスウェーデンの福祉事情
-音楽療法のパイオニア 大滝(詠一ではないよ)さんから学ぶひととき-

NPO法人「ふあふあ」設立準備委員会(企画集団ふあふあ)

コンサート風景
企画集団“ふあふあ”の記念すべき第1回イベント、それが1992年4月に新潟市体育館で行った「とっておきのコンサート in 新潟 EKOライヴ」でした。知的にしょうがいのある人たちによるロックコンサートということで、県内外から1,000人ものお客さんが集まり、体育館を揺るがしました。

あれから12年…私たち日本のしょうがい者福祉もずいぶんと変わったような、案外そうでもないような…

今回はそんな懐古趣味と、将来を見据えた展望の両方を満たせるふあふあ企画です。今年4月より日本で活動を始められた元EKOリーダー、大滝昌之さんの講演と大滝さんの音楽療法のプレゼンテーションを行います。講演では変革期を迎えている日本のしょうがい者福祉と、福祉先進国スウェーデンの現状とを対比させながら、今後私たちが目指すべき方向へ示唆に富んだお話をいただきます。

また、大滝さんは音楽療法の指導者としても活躍されている中、そちらのレクチャーもお願いしています。 大勢のご参加をお待ちいたしております。

 日 時:平成16年10月3日(日) 午後1時〜午後4時
 会 場:新潟大学医学部保健学科 D41教室
 講 師:大滝昌之(おおたきまさゆき)さん
     (栃木県 足利むつみ会 総合アドバイザー・福祉事業部長)
 参加費:大人1,500円 学生1,000円
     (事前申込の方には当日資料を無料配布します)
     (当日資料代 実費)
     保育あり 要予約 (500円)
 定 員:150〜200名程度

参加お申し込みは、参加者名、所属施設、連絡先、保育希望の有無とお子さんの様子を記載され、FAX:025-242-2523 よいこの小児科さとう お問い合わせは 携帯090−1613−5648 阿部


大滝昌之さんについて−音楽療法士・福祉職を体験

1942年札幌市生まれ。1969年に渡欧、スウェーデンに落ち着く。知的しょうがい者の入居施設勤務を最初として、学習サークルの音楽指導者などとして活動。その後王立音楽大学セラピー科で学ぶ。1988年エクトルプ・デイセンターで知的しょうがい者のロックグループ「EKO」を結成。1991年ナツカ市にデイセンターEKOを設立し、所長を務める。1992年EKO日本公演の一環として新潟市体育館で「北欧からの風」と題してコンサートを企画集団ふあふあが企画。1998年デイセンターEKO退職。2003年著書「スウェーデンの社会福祉と音楽療法―音楽療法士・福祉職としての体験から」(音楽之友社)を出版。

福祉先進国スウェーデンの福祉について

ノーマライゼーションの理念の下、20世紀最後の日にスウェーデンでは施設がなくなった。大規模施設が厳然として存在する日本との対比を考えると驚くべき状態であろう。スウェーデンでは知的しょうがい者の多くはグループホームでの生活へ移行したのである。重度の知的しょうがい、重度の自閉症者もである。日中は作業所ではなくデイセンターへ通う。日常活動所である。日常活動所では「−確かに働いていることに違いないとはいえ、そこに微妙な違いがある。スウェーデン的に言えば、そこはあくまでもしょうがい者が『日常活動』をするところであって、働くと言っても就労ということと違い、むしろ『その人の、日常の生き甲斐を感じることをする場なのである。』と大滝さんは書いている。日本でも横浜などでは活動所という呼び名を使っている。日本の作業所というイメージは過去のものとすべきだ。人生をどう使うべきかスウェーデンの実践は私たちに大事なことを語りかける。またスウェーデンでは個人がパーソナルアシスタントという人を雇うことが出来る。身体しょうがい者でも知的しょうがい者でもである。その他コンタクトパーソン、ゴードマンなどの制度で見守られている。これらの制度は日本も学ぶべきだ。

音楽療法について

「音楽がグループにもたらすグループ意識の向上や、集団の中で一人一人が自分を発揮する姿を目の当たりにして、また音楽の時間が終わっても続く余韻というものを体験したことによって−−音楽の時間に生み出される共感が、デイセンター全体の意識をまとめる活力にもなっていった」と大滝さんは書いている。知的しょうがいを持つ人々と共にロックバンドを結成するまでにいたる過程は音楽療法の醍醐味を感じさせる(著書参照)。音が人と人をつなげる。どんな形で大滝さんが個々人に働きかけ、集団のダイナミズムをかもしだすか、楽しみである。


NPO法人ふあふあ設立準備委員会(企画集団ふあふあ)