第39回 マダムさん


「休日の悩み」

ハンドルはマダムです。
パソコンを持っていない我が家は、子供たちから原始時代
と言われているので、
「ハンドルって何?」の世界です。

それはさておき、誰かが付けてくれたこの名前、
文字通りなら、可憐で、仕事もビシバシこなす女性
というイメージなのでしょうが、
実際の私は、せかせかしているのにズボラ、
口ではギャーギャー言うけど、行動が伴わない、
中途半端な性格なんです。

さて、我が家は、真ん中に自閉ちゃん(T子)をはさんで
子供3人、父母の5人家族です。
目下の問題は、この3人の子供たちを
一緒に連れてお出かけするのが、すっごく難しい
ということなんです。

例えば、T子の好みに合わせれば、
プールへ行こう、公園へ行こう、日帰り温泉へ行こうとなるんですが、
上の子は、そんな所はもう恥ずかしい、
下の子も、この前も行ったし、面白くないという具合。
それで、あそこがいい、ここなら行くと、色々提案してくるんですが、
「そこは、T子が恐がるよ。遊べないよ。」となって
決まらない。

そもそも、父親が日頃子供とふれ合えないので、
日曜、休日となると、子供と関わりたい。
自分のストレス発散の意味もあって、「どこか行こうよ。」となるわけで、
子供たちが出かけたいわけじゃないんです。

子供のため、家族のふれ合いのため、
何か楽しい体験をさせたくて、
出掛けようと言ってくれる父親の気持ちは、痛いほど分かるのです。
だから、何とか皆が喜べるような所を考えるのですが、
結局、上の子は「それなら留守番してる。」
下の子も「家でビデオをみる方がいい。」
父親は「何でみんなで出掛けられないんだ。」とすねて決裂。
もう、険悪な雰囲気の休日。

じゃあ、家の中で楽しく遊べばいい?
まっ、そういう事もあるけど、
T子も体が大きくなり、運動不足ときているから、
体を動かす事をさせたいんですよね。
そして、何よりも、
楽しい事をいっぱい感じて、ストレスを発散してもらいたいんです。

時々、オイオイ泣いたり、頭をパンパンたたいて怒ったり、
爪をかんだりしているから、
きっとストレスたまっているんだろうナァーと思う。
でも、この「何かしなくては。」という、肩に力の入った親の態度が
この子の負担になっているんだろうナ、とも思うので、
その辺の兼ね合いをバランスよくやっていきたいです。
肩の力をぬいて、ぬいて…

そんな事を考えていたら、
「いつかけても居ないから、心配で。」と母からTELが。
「忙しいだろうけど、あんまり力まないでね。
色々と考えることはあるだろうし、不安もあるだろうけど、
障害児だって十人十色。できる事、できない事があっていい。
もし将来できることが少ししかなくても、それはそれでいいんだし、
この子がいるだけで"癒し"になればそれでいいんじゃない?
今ね。TVでやっていたの。
"この犬がいてくれるだけで、癒されて幸せ"だって。」

へっ、犬!?
この子を、犬と同じように考えてTELくれたの!?
と言いたいのをこらえて
「ハイハイわかりました。忠告ありがとね。」
ガシャ!
一瞬ムッとしたけど、プッと笑ってしまって、
肩の力が抜けました。

いろんな事ができなくとも、全部ひっくるめて我が子。
そう、この子がいるだけで私たち家族を癒してくれる、
そんな子になって欲しい…。
そんな自閉ちゃん目指してがんばるぞー!!

また肩に力、入っているって。