はじめまして、南風です。
このハンドルは、昔読んだコミックに出てくるコーヒーショップの名前です。
私、南風には、姫様と太郎君の二人の子供がいます。
障害のある太郎の事は、皆さんよくご存知だと思うので、
今回は、太郎や私、そして家族を支えてくれる姫の事を書いてみようと思います。
彼女は、太郎より2歳上のお姉さんです。
私にとっては最初の子供であり、とても可愛がって育てました。
おっとりした、笑顔の可愛い、ポッチャリした子です。
太郎が生れた時は、たいへん喜び、
「太郎のお世話は、私がするのヨ。」と言っていました。
二人は、保育園と小学校が同じでした。
その間、姫にとって嫌な思いも多かったと思います。
今でも私が忘れられないのは、姫が保育園年中だった時、
突然「保育園に行くのは、イヤ!!」と言った事です。
家では明るく、いつもと変らない様子なのですが、保育園は嫌だと言うのです。
原因は、園での太郎の行動だったようです。
同じ保育園で過ごす中で、お友達の兄弟と太郎が違う事を感じたようです。
それは、健診で太郎に言葉の遅れがあると言われ、
こども相談センターを紹介されて、
そこで、母子関係を大切にするよう指導された頃でした。
家族も、母親が太郎にもっともっと優しく接してやれば、障害が良くなると信じ、
私が太郎にかかりきりになる事を強く勧めました。
今まで、手の掛かる太郎より、姫が優先だったのが、太郎優先になってしまい、
姫は、急に寂しい思いをする事になってしまいました。
そんな中で、彼女は自分の気持ちを表現できず、
外に出ることを恐れてしまったのです。
自分自身も解らない障害の事を、彼女が理解できるよう説明する事は、
私には出来ませんでした。
「太郎の成長のためには、あなたの我慢が必要なの。」と頼んでも、
まだ幼い姫に、解ってもらえるはずがなかったのです。
私は、彼女の行動を受け入れ、太郎のいない時に、二人で話し合いました。
太郎には、障害があること。
お母さんは、姫の事を忘れたのではないこと。
姫を大切に想っていること。
姫は姫のままでいい、他の人と同じにしなくてよいこと。
そして、太郎を育てるために力を貸して欲しいことです。
話し合うなかで、なんとなく理解してくれたようです。
障害があり、手が掛かる太郎を、生活の中心に置いているのが、
当り前になりつつあったのですが、
それ以上に、姫に気持ちを向けてやらなければならないと
思わされた出来事でした。
その後も、太郎中心の生活は変わらなかったですが、
小・中学校とも姫の気持ちを解ってくれ、応援してくれる先生方や、
母の代わりに、彼女と過ごしてくれた親戚に助けられ、
姫は、太郎を大切に思う、優しいお姉さんになってくれました。
小さい時から、寂しい思いや嫌なこと、多くの我慢をさせたのに、
とても素直に育ち、将来は、福祉関係の仕事に就きたいと言ってくれています。
女性である姫には、これからも多くの苦悩が訪れると思います。
その時は、一緒に苦しみ、悩み、彼女の助けができる私でありたいと思います。
彼女との関係は、年齢とともに形を変えていくでしょうが、
彼女を大切に思う気持ちは、変らないことを伝えていきたいと思います。
いろいろな勉強や経験を積み、素敵に輝いてください。
素敵に育ってくれて、ありがとう。
あなたの頑張りがあったから、私も頑張れたのです。
頼りない母ですが、これからもよろしくお願いします。
あなたは、私の自慢の娘です。
本当に、ありがとう!