たっくんは今6歳。保育園の年長さん。
そして私は自閉症児の母になってもうすぐ3年。
たっくんが診断を受けたのは3歳8ヶ月。
入園1ヶ月前のことでした。
私に少しでも自閉症の知識があったなら、
きっと、もっと、早くに気づいてあげられたのに…。
たっくんは私の初めての子ども。
とにかくかわいくて(親バカ!?)育てやすい子でした。
ニコニコ愛想がよくて、体が大きくて丈夫。
言葉が遅かったけれど、周りには男の子だからと言われ心配もせず、
1歳半健診では、指差ししないことを指摘されたけれど、
指差ししないことが問題だとは、知らなかった。
保健師さんも教えてはくれなかった。
2歳近くなると少しずつ扱いにくくなったけれど、
単にみんなが通る反抗期だと思っていた。
いくら注意しても、いくら玄関の鍵をかけても、
全裸であってもお構いなし、
裸足で窓から逃げ出していた。
2〜3歳の子どもが母親と手もつながず、
毎日2キロ3キロ平気で散歩したり。
ジャスコの3Fで迷子になり、
1Fで見つかった時も私は半べそだったのに、
たっくんは何ごとも無かったかのように平気な顔。
どんなに呼んでも振り向かないのに、
大好きなCMの音がすると遠い部屋からでも飛んでくる。
どんなにびしょ濡れになっても、
手が冷たくなってもやめられない水いじり。
6歳になった今でも水の魅力にちょくちょく溺れています(苦笑)
だからハンドルが「ウォーターボーイママ」なのです。
無知ってスゴイですね。
こんなに自閉症の特性が満載なのに、
たっくんに何か障がいがあるなんて微塵も思わなかった。
はまぐみで診断された帰りの車の中で、
そのとき流行っていた『世界にひとつだけの花』が流れていた。
たっくんのことを歌っているようで、
涙が止まらなかった。
なぜたっくんが…なぜ私たちの子が…
神様は私たちになら育てられると、この子を与えたのか…
いろんなことが頭をよぎった。
この現実を受け入れるには時間がかかる。
でも現実の生活で、子どもたちは待ってはくれない。
いっぱい泣いた。
涙は枯れないのだ。
主人の嗚咽するほどの涙を私は初めて見た。
泣くのは今日で終わりにしよう。
前を向いていこう。
あの日からもうすぐ3年。
いまだ、想いを言葉に出来ないけれど、
彼なりの方法で懸命に要求を表現しようとするまでになった。
ゆっくり、ゆっくり、たっくんのペースで成長している。
春からは特殊学級の一年生になるたっくん。
私にたくさんのことを気づかせてくれる。
あなたの笑顔が消えないように、
いつもあなたに寄り添える母になりたい。